滋賀県が誇る市民ランナーの祭典「びわ湖マラソン」。
フラットで走りやすい高速コースと言われる一方で、後半の湖岸道路特有の風や、単調な景色によるメンタル・身体への負荷は、多くのランナーにとって「30kmの壁」として立ちはだかります。
「月間走行距離は十分踏んだはずなのに、後半足が止まる」
「30km過ぎから腰が落ちて、ペースが維持できない」
もしあなたがそう感じているなら、足りないのは練習量ではなく、「身体機能の最適化(リカバリー)」かもしれません。
私は滋賀県守山市で「ストレッチ×整体HOPE」を営み、業界歴18年以上、延べ1.7万人以上の身体を診てきました。
本記事では、最新のスポーツ科学に基づき、タイムを伸ばすために不可欠な「ストレッチ」と「整体」の役割について、専門家の視点で解説します。
タイム短縮の鍵は「ランニングエコノミー」の改善にあり
マラソンのタイムを短縮するために、最も重要な指標の一つが「ランニングエコノミー(Running Economy)」です。
これは自動車で言う「燃費」のこと。
同じスピードで走っても、エネルギー消費が少ないランナーほど、後半までスタミナを温存できます。
多くのランナーは心肺機能(エンジン)を鍛えることに熱心ですが、実は「車体(身体の柔軟性と連動性)」の整備不良が、燃費を劇的に悪化させているケースが後を絶ちません。
最新研究が示す「筋膜リリース」とパフォーマンスの関係
【2022年の最新研究結果】
2022年に発表された、長距離ランナーを対象とした研究論文(※1)において、筋膜リリース(Myofascial Release)などのケア介入が、ランナーの筋柔軟性を有意に向上させることが示唆されています。
研究では、特に股関節周辺の筋肉の硬さが走行効率に悪影響を及ぼすと指摘されています。長距離走のような反復運動は、筋肉を包む「筋膜」の癒着を引き起こしやすく、これが関節の可動域を制限し、結果としてストライド(歩幅)の減少や、フォームの崩れを招くのです。
出典:Sulowska-Daszyk, I., & Skiba, A. (2022).
なぜ「後半の失速」は起きるのか?解剖学的メカニズム
単に筋肉を揉みほぐすだけでは不十分です。「筋膜」という全身を覆うボディスーツのシワを伸ばし、滑走性を良くすることで初めて、本来のバネのある走りが可能になります。
特にびわ湖マラソンのような平坦なコースでは、同じ動作を何万回も繰り返すため、局所的な負担が蓄積しやすくなります。
以下の2点の機能不全は、タイム低下に直結します。
- 1. 股関節伸展(足を後ろに送る動き)の制限
- ストライドを効率よく広げるためには、着地した足を後ろへ送る動きが重要です。しかし、デスクワークなどで腸腰筋(ちょうようきん)が短縮していると、股関節が十分に伸びません。
この状態で無理に足を後ろに送ろうとすると、代償動作として「腰を反る」動きが入ります。これが、レース後半の腰痛や推進力のロスにつながります。 - 2. 胸郭(呼吸筋)の柔軟性低下
- 後半の失速の主因の一つは、酸素摂取能力の低下です。
猫背や巻き肩により胸郭(肋骨周り)が硬くなると、横隔膜の動きが制限され、一回換気量(一呼吸で取り込める酸素量)が減少します。湖岸の向かい風に抗って走る際、呼吸が浅くなれば、乳酸が溜まりやすくなります。
あなたの「燃費」は大丈夫?失速予備軍チェックリスト
ご自身の身体の状態を振り返ってみましょう。
以下の項目に一つでも当てはまる場合、ランニングエコノミーが低下している可能性があります。
- 走った後、ふくらはぎや太もも前面ばかりが張る(お尻が使えていない)
- レース後半になると腰が痛くなる、または腰が落ちると言われる
- 深呼吸をした時、胸が十分に広がらない感覚がある
- 普段の生活でデスクワークや長時間の運転が多い
- 左右でシューズの底の減り方が違う
自宅でできる!「燃費改善」セルフケア
日々のメンテナンスとして、以下のポイントを意識したケアを取り入れてみてください。
- 腸腰筋のストレッチ
片膝立ちになり、体重を前にかけて後ろ脚の付け根を伸ばします。腰を反らさず、お腹を引き上げる意識で行いましょう。 - 胸郭の回旋運動
四つん這いになり、片手を頭の後ろに添えて、肘を天井に向けるように胸を開きます。呼吸に合わせて行うことで、肋骨周りの柔軟性を高めます。 - 足裏・ふくらはぎのリリース
ゴルフボールやフォームローラーを使い、足裏やふくらはぎの筋膜を緩めます。着地の衝撃を吸収するサスペンション機能を回復させます。
セルフケアの限界とプロによる調整の必要性
「毎日ストレッチをしているから大丈夫」と考えるランナーも多いですが、セルフケアとプロによる調整には明確な違いがあります。
特に、自己ベスト更新を狙うレベルであれば、以下の理由から専門家の介入を推奨します。
深層筋へのアプローチと「脱力」
セルフストレッチでは、どうしても身体に力が入ってしまい(防御性収縮)、深層部の筋肉まで緩めることが困難です。特に、ランナー膝や坐骨神経痛に関わる梨状筋(お尻の深層筋)などは、自身ではアプローチしにくい部位です。
当院の施術は、お客様が完全にリラックスした状態で他動的に動かすため、脳が「守らなくていい」と判断し、通常では届かない可動域まで安全に広げることが可能です。
客観的なアライメント調整
自分の走りを客観的に見るのが難しいように、自分の身体の歪みを自分で治すのは困難です。骨盤や背骨の微細なズレを微調整し、左右均等に使える身体に整えるのが、私の役割です。
びわ湖マラソン直前!時期別コンディショニングの目安
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強化期(〜3週間前):
疲労抜きより「可動域拡大」。深い位置の癒着を剥がす。 -
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調整期(3週間前〜1週間前):
練習量を落としつつ、筋肉の張力を調整。緩めすぎずバネを残す。 -
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リカバリー(直後):
激しい炎症を鎮め、早期回復を促す。
びわ湖マラソンでの目標達成のためには、ハードなトレーニングと同じくらい、身体のメンテナンス(投資)が重要です。
「痛みが出てから」通うのではなく、「自己ベストを出すため」に整体を活用してください。
あなたの身体は、まだ速くなれます。
滋賀県守山市の「ストレッチ×整体HOPE」では、解剖学と最新の知見に基づき、ランナー一人ひとりの目標に合わせたオーダーメイドの施術を提供しています。
最後の調整をお探しの方、今のタイムに限界を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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