睡眠からアスリートをサポートする整体院:午後のパフォーマンスと「仮眠」の科学
滋賀県守山市でスポーツ整体、パフォーマンスアップならストレッチ×整体HOPE。
「昼食後、どうにも体が重くて眠い…」「大事な試合やトレーニングが午後にあるのに、いまいち集中できない」。そんな経験はありませんか?
この午後の眠気やだるさは「ポーズトランチ・ディップ(Post-lunch dip)」と呼ばれ、多くの方が経験する自然な現象です。
しかし、アスリートやスポーツを愛好する方にとって、午後のパフォーマンス低下は避けたい問題でしょう。
では、この厄介な午後の時間帯に、最高のパフォーマンスを発揮するための簡単な方法があるとしたらどうでしょうか。
その鍵を握るのが、実は「短時間の仮眠」なのです。
今回は、広島大学大学院で行われた研究を基に、短時間仮眠がスポーツのパフォーマンスに与える驚くべき効果について、分かりやすく解説していきます。
なぜ午後に眠くなる?「ポーズトランチ・ディップ」の正体
多くの方は、午後の眠気を「昼食を食べたから消化にエネルギーが使われているせいだ」と考えがちです。
しかし、研究によれば、食事の有無にかかわらず、私たちの体には14時から16時頃にかけて眠気が強まる、12時間周期の生体リズムが存在することが示唆されています。
この生体リズムによるパフォーマンスの低下は、実際に様々な研究で報告されており、アスリートにとっては見過ごせない問題です。
仮眠はパフォーマンスを向上させるのか?ある実験の紹介
この課題を解決するため、広島大学の研究チームは、運動部に所属する男子大学生10名を対象に、実験を行いました。
実験内容
【A. 仮眠条件】
午後2時(14:00)から、脳波で睡眠段階を測定しながら仮眠をとる。専門的には「睡眠段階2」という少し深くなった眠りが3分間続いた時点で優しく起こす(平均的な仮眠時間は約15分)。
【B. 仮眠なし条件】
同じ時間帯に、椅子に座って15分間新聞を読む。
【パフォーマンステスト】
午後3時(15:00)から、両グループの参加者に自転車エルゴメータ(バイク)を漕いでもらい、限界に達するまでの時間を計測する。
さて、このわずか15分程度の違いが、どのような結果を生んだのでしょうか。
実験で明らかになった「短時間仮眠」の3つの効果
実験結果は、短時間仮眠の有効性を明確に示していました。
最も注目すべきは、純粋な運動パフォーマンスの向上です。仮眠をとったグループは、とらなかったグループに比べて、運動を継続できた時間が平均で約27秒も長かったのです。たかが27秒と思うかもしれませんが、自身の限界に挑む状況でのこの差は、競技において非常に大きな意味を持ちます。
興味深いことに、運動中の心拍数(体がどれだけ頑張っているかの客観的な指標)には、両グループで大きな差はありませんでした。つまり、生理的な負担は同じだったのです。
しかし、運動している本人の「主観的な運動のキツさ」の評価は、仮眠をとったグループの方が有意に低かったのです。同じ運動でも「楽に感じる」ことができれば、精神的な余裕が生まれ、より高いパフォーマンスにつながる可能性があります。
当然ながら、仮眠をとったグループは運動前に眠気が大幅に低下し、気分を測定するテストでは「活気」のスコアが明らかに高くなりました。心身ともにリフレッシュされ、ポジティブな気持ちでトレーニングや試合に臨める状態が作られていたのです。
なぜ「短すぎる」ほどの仮眠が良いのか?
この研究のポイントは、睡眠段階2に入ってすぐ起こすという点です。仮眠時間が30分を超えてしまうと、「徐波睡眠」という深い眠りに入ってしまいがちです。
深い眠りから無理に起きると、「睡眠慣性」と呼ばれる強い眠気や頭のぼーっとした状態が続き、かえってパフォーマンスを下げてしまうことがあります。
回復効果を得るためには、ただウトウトする「睡眠段階1」だけでは不十分で、「睡眠段階2」に少し入ることが重要だと考えられています。つまり、15分から20分程度の短い仮眠は、回復効果を得つつ、睡眠慣性を引き起こさないための「黄金の時間」と言えるのです。
睡眠からできる最高のコンディショニング
今回の研究は、午後に重要な試合やトレーニングを控えている場合、その直前に15分程度の短い仮眠をとることが、パフォーマンスを向上させるための有効な戦略であることを科学的に示しました。
短時間仮眠のメリットまとめ
- 身体的効果: 運動持続時間の延長
- 心理的効果: 「キツさ」の軽減と「活気」の向上
- 脳への効果: 睡眠慣性を防ぎ、覚醒度をアップ
しかし、「最適な睡眠時間」や「眠り方」には個人差があります。短時間睡眠でも10分でスッキリする方もいれば、もう少し時間が必要な方もいます。
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